携帯を握りしめて掛け直すか迷っていた。何を話せばいいのかわからない。


やっぱり、幼なじみには・・・勝てない?テーブルの上に置こうとしたらあたしの手の中で震える携帯。



大きく息を吸って、意を決して応答ボタンを押した。



「・・・もしもし」



「・・・連絡、出来なくてごめん。いろいろと考えててさ。でも、やっと決心が着いた。花火大会の日さ、全部話すよ」



8月の花火大会。なんとしてもこの日だけは行きたくて、今、必死になっているのもそのためでもある。



湊も土曜日だから本当は忙しいはずなのに、その日は必ず休みを取ると言ってくれた。



きっとあたしたちが次に会えるのはその日。