陽が昇り始めた頃、うとうとしかけた柴田くんに毛布を掛けて一眠りさせてあげることにした。


テーブルの上の携帯。何度も鳴っていたことには気づいていたけれど出れなかった。



結局、何もなかったけれど酔いが覚めたとき、思った。何もなかったけれど柴田くんを泊めたことに変わりはない。



湊すら入れたことのないこの部屋にあたしは自分から彼を呼んだ。



この事実を酔ったまま伝えることはしたくなかった。でも、嘘や誤魔化すつもりなんてない。



怒ったっていい、最悪、分かってもらえないかもしれない。隠すつもりはない。


眠っている柴田くんの頭をまたそっと撫でる。



「お互い幼馴染には敵わないって思うけど負けないように頑張ろうね」