「おいっ、これはここに入れんのか?」



「あっ、そうそう。割れ物だからちゃんと新聞紙に包んでくださいね」



「わかってるよ」



今は、休みを利用して最後の引越しの準備。小坂さんも手伝ってくれている。


あたしがとにかくバタバタここと神戸を行ったり来たりしていたから朝からのんびりと会えるのは久しぶり。



それでもそれが引越しの準備っていうのもなんだか切ないけれど。


とはいえあたしだって一日、お休みなんてなかなかないからこんな貴重な日には全て段ボールに詰めてしまいたかったんだ。




「あっ!これこんなところにあったんだ。酔ってなくしちゃったのかと思ってた。可愛いから気に入ってたんだよね」