いつの間にか咥えていたタバコは火をつけず机の上に置かれ、あたしの手の上に彼はそっと手を重ねてくれた。



「チーフマネージャーはお前が思ってる以上に責任が重い。でも、その責任の重さを一番にわかってるのは俺だ。だから、辛い時や苦しい時、とにかく一人で解決しようとするな。俺が見えない場所からお前の左腕になってやるから」



「はい。頼りにしてます、小坂チーフ」




「バカ。こんなときだけチーフなんて言うな。それからさ、会いたくなったらいつでも言えよ。お前は忙しくて会いに来れないだろうから俺がいつでも行ってやる。遠距離恋愛やってみるか。まあ距離になんて負けるつもりねえけど」



「うん。遠距離でもいつでも湊だけを思ってるよ」