昨日と同じ電車であの場所に向かおうとして邪魔な大きな荷物をコインロッカーに入れていたとき、また小坂さんの携帯が鳴った。




「出なくていいんですか?」




「どうせ瑠夏だろ。昨日は邪魔されたし、あいつも柴田がいるんだから気にしなくていい」




西海さんより、私を優先させてくれるんだ。そうだよね。だって西海さんの彼氏は柴田くんなんだもん。




私はまだ気づいていない。自分の携帯の充電が切れていることなんて。