美咲君とのデートから
1週間が経って、夏休み前日。

「ねぇ才華。」

「……」


今、啓人に、話しかけられてる。

まだ、酷いこと言ってから、
話してなくて

何を話していいか分からなくて、
啓人の言葉に答えることが出来ない……

無視してるみたいになってるけど、

ほんとに何を話したらいいんだろう……


とりあえず、無視は、良くないよね……

謝ろう。

「えーっと……」

顔を合わせることができない……


「えーっと……ごめんね…。前、酷い事言って……」

「あぁ。いいよ。俺こそゴメンな。」


「ううん…」

「俺、気持ちとか分かんなくて、
お前を傷付けてるかもしれない。もし、
ほんとに傷ついてたらゴメンな。」


啓人……


あたしは、小さく頷いた。


答えるのが恥ずかしかったから。