「でも、今日は本当にありがとう」

「先輩。お願い聞いてくれますか?」

「何?あたしに出来る事なら。」

「ギュッてしていい??」


そう、可愛く聞いてくる美咲君。

あたしは、笑顔で言う。

「うん」と。


美咲君は、観覧車がてっぺんに来た時にあたしを
ギュッと抱きしめた。

そのまま美咲君は、
観覧車が回り終わるまであたしを
離そうとはしなかった。

「はい、お疲れ様でした。」

と、観覧車を担当していたスタッフに
声をかけられ、
ドアが開かれた。


あたしたちは観覧車を降り、
出口に向かう。

出口に着いた時美咲君が、口を開いた。

「家まで送りますね!!」

もう、いつもの美咲君だった。

「ありがとう。」


あたしは、素直にそう言う。