「啓人君……?」 「黙ってて、亜澄。」 初めてだ。 啓人が亜澄を呼び捨てにしたの…… 亜澄が黙った。 それを合図にあたしはゆっくりと口を開いた。 「あのね、啓人……」 「何?才華」 あたしはふぅっと深呼吸した。 「あのね、中学2年の頃、あたしがフラれたとき、 一緒に笑ってくれてありがとう。」 ヤバい……また泣きそう…… 「そ、れで……今まで…っ」 「ゆっくりでいいから……」 あたしは小さく頷く。