「ごめん……前、美咲君が寝言でそう言ってて……」


「俺が……」


そう言いながらその場に座り込んでしまった美咲君。


「どうしたの?」


「紗有里ってこの前会ったやつのお姉さんです。
未奈美の姉貴。幼馴染なんです。あいつらと俺。」


あの子のお姉さん……


「好きだったんです。俺紗有里が。
でも、突然俺らより5歳上だった紗有里が結婚したんです……」


結婚……


「だから諦めたくて、未奈美とも離れて忘れようとしたのに、
忘れかけていたのに、また未奈美が俺の前に現れるから……
紗有里を思い出した。」


そうだったんだ……


紗有里さんは美咲君のそばに居られないんだ……