紗有里って誰だろう……


あたしをその“紗有里”って人と間違えているのかな。


美咲君はその“紗有里”って人の事で泣いていたの?


あたしにギュッと小さな子供の様にしがみ付いている
美咲君を引き離すことはできなかった……


だからあたしも

ただただ美咲君を抱きしめる事しかできなかった。



お願い……

紗有里さん……


美咲君のそばに居てあげてください……


あたしの大切な後輩でもあり



あたしの心の支えなんです。



そんな美咲君のそばに居てあげられるのは


紗有里さん……


あなただけなんです。


心の中でそう呟いた。



あたしがもし紗有里さんに会うことがあれば

そう言いたい……



“そばに居てあげてほしい”と──。