「美咲君……??」


そこには床に座って眠っている美咲君が居た。


「なんで……」


あたしは静かに美咲君に近づく。

あっ……


泣いたのかな……


あたしがそう思ったのは美咲君の頬には
涙の跡がついていたから。


ここで、1人で泣いたのかな……


あたしには1人で泣くなって言ったくせに
なんで1人で泣いてんの……


……わけわかんない。


あたしは美咲君の頬についた涙の後を
持っていたハンカチで拭った。


その時……


「紗有里……」


え?

紗有里?



その言葉と共に美咲君は

あたしをギュッと抱きしめた……