そして、やっと

啓人が立ち直ったときにはあたしたちは

もう高校に入学した時だった。




結局、美佐子が亡くなってから
啓人が教室に来ることは無く、



あたしは教室の隅っこでただ泣いていた。



そして今、啓人はちゃんと過去と向き合っている。


たまに、弱音を吐くことはあったけれど、


それはそれでいいと思っていたから、


『泣いていいから』


あたしは優しく声をかけ続けた。



逆にあたしが弱音を吐けば

隣で『大丈夫』

そう、声をかけてくれた……



だからあたしも、啓人も

美佐子の事乗り越えてこれたんだと思う……



「先輩!?」

「え?美咲君……」