啓人は誰とも口を利かなくなった。
もちろんあたしとも……


あたしは毎晩泣いたし、

今も信じられないけれどでも、啓人はあたし以上に

ココロを閉ざした。


あたしは啓人が心を開くまでそばに居た。



受験生のあたしたちは

勉強もおろそかになっていた。



だから、あたしはこれを利用した。


啓人の心を開かすにはこれしかないと思って……


そう、啓人に勉強を教えてもらう事。



それで、啓人の心が開かれるとは思ってなかったけれど

凄いことにどんどん

あたしとだけ話してくれるようになった。