そして、結局

あの子を無視して帰って来てしまった。


よかったのかな……


「美咲君……本当にいいの??さっきの子……」


「別にいいっす……」

「そっか…」


「じゃあ、さようなら!先輩!!今日はありがとうございました!!」


「うん……」

帰って行く美咲君の背中に手を振り続けた。



美咲君の姿が見えなくなって、あたしは

家に入った。


美咲君……

大丈夫かな……


さっきの女の子が美咲君の前に来たとき、

美咲君動揺してた。


帰り道で何もないところで躓いたり、

持ってたスパイクの入った袋を落としたり。


いつもの美咲君じゃなかった……


まだまだある。


さようならって言った美咲君の顔は

ひきつった笑い方だったし……


とりあえずいつもの美咲君ではなかった……