これを何分間したのか知らないけれど、
いったん落ち着いてから
2人は沈黙した。
あたしはこの短時間で起きた事を頭のなかで整理していた。
それしたらかってに涙が溢れてきた。
「もも泣いてるん?」
京太先輩に気づかれた。
「泣いてないよ。」
って言いながらすぐにタオルで涙を拭いた。
「嘘や。何考えて泣いてたん?」
「泣いてないって。」
「絶対嘘や。」
って言ってあたしを優しく抱きしめてくれた。
「なんで泣いてんの?言ってみ。」
先輩にそう言われてから泣いた。
人前で悔し涙以外を見せたのは先輩だけやと思う。
しばらくして落ち着いたら
離してくれた。
そして泣いた理由を答えた。
「真菜が北海道に行ってる間に京太先輩と会ってこんな事したらあかんよな。って…真菜に悪いなって思ってん。」
「確かに射原ちゃんが居らん時に2人になったけど、俺は射原ちゃんがおらん時に2人きりになりたかってん。やったら別にばれへんやん。それにな、俺キスしたからって浮気にならへんって思ってんねん。」
えっ?
先輩の中でキスは浮気にならへんの?
じゃなきゃ普通キスしやんもんな。
「じゃあ先輩の中でなにが浮気になるん?」
「2人きりになる事。」
「普通逆じゃない?2人きりになって話したい事だってあるし。」
「うん。まぁそやねんけど。どっちみちこれは浮気なんかなー?」
「浮気ですよ。笑笑」
「浮気か。でもこの事誰にも言わんかったら浮気してもばれへんやん。」
「まぁね。」
「じゃあなんでももは泣いてるん?」
「真菜に罪悪感を抱いてるんです。先輩とキスしたって。」
「言わんかったらいいやん。」
「うん。だれにも言いません。」
「そーいえばももキスしたけどファーストキスじゃないやんな?好きでもないやつにファーストキス取られたって泣いてる訳じゃないやんな?」
「ファーストキスじゃないですよ。大丈夫です。その事で泣いてない。」
「そっかよかった。」
「あたし先輩の事好きやで。」
「それは先輩として好きなだけやろ。」
「違うし。」
「絶対嘘や。いつから好きやったん?」
「5月位。」
「絶対嘘や。」
「信じるか信じないかは先輩に任せます。」
「じゃあ信じやんとく。」
一応さらっと告白してみたけど
さらっと流された。
夕方に先輩はあたしに今誰から好かれてるか話してくれた。
でも今モテたくないんだって。
大学に入ってからがいいって。
まぁ大学に行くって考えてる人からしたらそうやろな。
まぁ今はそんな話要らんな。
さらっと告白流されたけど本気やってんけどなー

