不器用少女と一途な少年




…私と、同じ。





矢倉さんが真城のこと好きって知って、
苦しかった。つらかった。










「…でも、相坂を前にすると止めらんないんだよ。


相坂の前だと、自分が制御できなくなる。」











「…忘れて、なんて言ったけど、本当は忘れて欲しくない。
答えて欲しかった。



でも…相坂を傷つけるのだけは嫌だった。」









だから、「忘れて」
なんて言ったの?










「…相坂の苦しそうな、悲しそうな顔見たくなかったし。
相坂には、笑っていて欲しかった。」










「…私と、同じ…。」











ポツリと呟いた言葉。





真城は、私と同じ気持ちだった。