隣の席の鈴木君

「オレの策略に、

まんまと引っかかったな?」

デスクの上を整理しながら、

鈴木君が言う。



「何よ策略って」

私は手を止め、鈴木君に問いかける。



「デート特集なら絶対西野は

食いつくと思って」

そう言って少しだけ口角をあげた鈴木君。


「・・・う」

痛いところを点かれ、

顔が引きつる私。


「・・・ま、行く場所の中には、

西野と行きたい所もあったから、

受けたんだけどな」

そう言った鈴木君は、カバンを持ち上げた。



「…鈴木君」

ちょっと嬉しい、いやかなり嬉しいかも。


「一度家に帰って、

必要な荷物持ったら迎えに行く、

ボーっとしてないで、行くぞ」


「うん、うん」