隣の席の鈴木君

泣いている私を見たお手伝いさんは、

驚き、慌て、私に何度も謝罪していた。


「西野は、酒の相手をする人間じゃありません、

今後はこのような事は辞めてください」


無表情で言われたお手伝いさんは、

分かりましたと言って、

何度も頭を下げていた。


…どれくらいの時間が過ぎたのか?

職場には戻らず、

家に着いた私は、ゆっくりソファーに座らされた。


・・・・ん?

・・・ここ、どこ?

ずっと泣きっぱなしだった私は、

泣き止んでようやく今の状況を把握する。


「鈴木君、ここ、どこ?」


「・・・ん?俺ん家だけど?」


「ふ~ん・・・・ん?!」

一気に現実に引き戻された。


「ゴメン!私、何のこのこと、付いてきてんだろうね?

自分ち帰るから」

そう言って立ち上がると、


「もう、終電ないぞ?」