隣の席の鈴木君

その場から全く動けない私は、

遠ざかっていく鈴木君を、

ぼんやりと見つめるしかなかった。


「早く来ないと、置いてくぞ」


「…え、ワッ!待って」


我に半分返って、

鈴木君を追いかけた。

残りの半分はまだ夢の中で、

足元はフワフワとしていた。







「いいもの見ちゃった」




どこかでそんな声がしてたことなど、

私も、

そして鈴木君ですら知らない。