隣の席の鈴木君

私の言葉に、

鈴木君の口角が、

心なしか上がった気がした。

…それがまたなんだか腹が立ってムカつく。



「ほら、ボケッとしてないで行くぞ」

「は~い・・・」

渋々、鈴木君の後ろをついていく。




…デカッ。


なんなのこの豪邸は・・・


口を開けて、豪邸を見上げる私。



「…アホナ顔」

「?!・・う、うっさい」


「この家の主人、千田龍之介29歳。

数々の小説を出し、どれも大ヒット。

今回縁があって、うちの出版社から

本を出してくれることになった」


千田龍之介の経緯より、

鈴木君が珍しく、

たくさん喋ってる事に、感心してしまった。