隣の席の鈴木君

奏の車の前。

助手席に乗せられそうになるも、

何とか必死にそれを食い止める。


ミュールは踏ん張りにくくて、

よろけるけど、奏の車に乗るわけにはいかない。


もうすぐ鈴木君が来るんだから。


「奏、私はいけない」


「・・・なんでだよ?!」


「もうすぐ、鈴木君が来るから」


「あんな奴のどこがいいんだよ?

見るからに無愛想で、とっつきにくそうで・・

いいのは顔だけじゃねえか?」


…顔がいいのは認めるんだ。

そう思うとちょっとおかしくて、

フッと笑ってしまった。


「何が可笑しいんだよ?」

不機嫌そうにそう呟いた奏。


「いいのは顔だけじゃないよ」

「・・・」


「あんな風に見えるけど、

本当はスッゴク優しくて、

私の事大事にしてくれる人なんだよ?」