「ほら。そろそろ降りるからな。」


彼氏君の言葉に背中から少し顔出して前を見ると学校がもう見えてきた。


二人乗りがバレるといけないので、いつも直前に降りて走って学校まで行くのだ。


もうちょっとこのままが良かったな‥


「はーい‥。」


気の抜けた返事をして、止まった自転車からゆっくりと降りた。


彼氏君は自転車を近くの駐輪場に止め、戻ってきた。


「走るぞ。」


そう言って手招きしながら走っていった。