「颯をたぶらかした‥?」 「ふん」 手首を掴んでいた手を乱暴に離し私に顔を近付ける。 「もっと知りたいなら放課後、屋上に来なさい?」 真紀はそう言って自分の席へ戻って行った。 取り残された私は、真紀の言葉が理解出来なくて、ただ呆然としていた。 握られていた手首に残った跡は赤く広がっている。 「真紀…‥」