「ばか颯!」


今度は私が先に歩いて行く。


「ごめんってばー」



「許さない」



舌をべーっと出して笑ってやった。


こんなやり取りが毎日の楽しみになっていた。


足を止めて、後ろから走ってくる彼氏君を待つ。



「行こ?」


ぎゅっと手を握る。



「さすが心!」



手を握り返し、満面の笑みを浮かべる。

そんな彼氏君がたまらなくいとおしい。