【完】ヴァンパイアとチョコレート

「ご主人は一晩中キミを探していたんだよ」

ルネは細いひげをぴくぴくと動かしてそう言った。

「猫が……猫がしゃべってる!!!!」

「うわっ!」

その声にルネはびくりと体を震わせて毛並を逆立出た。

「猫が……しゃべるなんて変だよ!おかしいよ!!」

「ミーナ、落ち着け」

「落ち着いていられないよっ!」

(……あれ?この会話……どこかでしたような?)