「いや、それはいい……。けど、まさかこっちに戻ってるとは思わなかったな」

普段見せない様な驚いた表情のまま彼は言った。

「あの、如月君、何のことだかよく分からないんだけど……」

「あぁ、それについては今から説明する。とりあえず入れ」

そう言ってライルは部屋に入るように促した。

(でも……)

ミーナが戸惑っていると

「この雨の中ずぶ濡れで帰りたいのか?」

と言って奥へ行ってしまった。

ミーナはどうしようかと迷ったが、小声でお邪魔しますと言って靴を脱いだ。