「うにゃ」

猫は扉を見て長い尻尾を立てる。

「もしかして、キミは如月君の家の猫?これはドアの鍵なの?」

「にゃーん!」

そうだ。

と言わんばかりに猫はミーナの足にすり寄る。

「開けて欲しいのかな……。でも勝手に開けるわけには……」

手のひらの中のカギと猫を見比べる。

「にゃーん!にゃんにゃん!」

猫は何かを訴える様にしきりに鳴く。