頭の中が溶けるような感覚に陥る。

グラスが手をすり抜けて床に落ち、パリンと高い音が響いた。

「うぅ……」

一気に酔いが回りソファにだらりともたれかかる。

(なんか……天井がまわってるー)

薄暗い部屋のはずなのにどうしてだか妙に明るい。

「あれ……どうしたの?」

アンバードがミーナの顔を覗き込む。

その目は明らかに焦点が合っていない。

アンバードはミーナの様子がおかしい事に気づきパチンと軽く頬を叩く。