「アンバードさんの目ってキレイですね」

そう言う少女の瞳こそ夜闇に星をまいたようにきらめいていて美しい。

柔らかそうな白い肌は紅潮していかにも瑞々しいーー。

その肌に牙を立てればさぞかし美味い血が啜れるだろう。

しかし、アンバードはそれをしなかった。

恐れを抱かない人間。

にっこりと笑いかる少女に彼は興味を抱いたのだ。

ーーたまにはこんな子も面白いな。

アンバードはほんの少しだけ唇を上げた。

それが彼の笑みだとはミーナも、そしてアンバード自身も気づかない微かなものだった。

ミーナはワインを飲むアンバードの様子をじっと見つめる。