【完】ヴァンパイアとチョコレート

「キサラギ……?誰それ?
そんな奴はここにはいないよ」

「え……?あの、ここは如月君の家じゃないんですか?」

「お嬢さんの言うキサラギが誰だか分からないけど、ここはヴァンパイアの城だよ。君の様な人間が張り込むような場所じゃない」

赤い目の男はミーナを面白がるような目でそう言った。

「え……?ヴァンパイア?」

「うん」

(ヴァ、ヴァンパイアって……)

ミーナは固まりかけた頭を何とか回転させて考える。

(よくマンガとかに出てくる血を飲む魔物……だよね?何これ!?どういう事?)

突然言われてミーナはその場から動けないでいた。

「まぁ、なんにせよオレの扉を開けたからには……それなりの覚悟ができているんでしょ?」

男は唇をゆがめて言うとミーナの腕をつかんだ。