【完】ヴァンパイアとチョコレート

底抜けに明るい声。

長身の尾男は瞬きもせずにミーナを見つめてる。

血に様な赤い瞳に薄暗い中でも光を放つ長い金色の髪。

そして恐ろしく整った顔立ち……。

「あ、あの……家に帰りたいのですが出口はどこですか?」

ミーナはすがる様に目の前の男にそう聞いた。

とにかく早く帰りたい一心だった。

すると男は眉を寄せてた。

「ん~?お嬢さんは誰かに連れて来られたのかな?」

男は質問には答えず逆に問いかける。

「き、如月君です。彼とは同じクラスで……」