【完】ヴァンパイアとチョコレート

しかし、いくら走っても玄関に続くような場所は見当たらない。

(ここって本当に如月君の家なの……?)

さっきから15分位は走っているはずだ。

それなのにただ同じような廊下がずっと続いているだけだ。

ミーナは後ろを振り返る。

そこにライルがない事を確認すると、走るのをやめて息を整えた。

ゼイゼイと肩で息をする。

(出口はどこ……?)

ミーナは注意深く辺りを見渡す。

よく見ればいくつかの部屋があり、そのどれもが古びた扉によって閉ざされている。

(この中のどれかが出口につながってる?)