【完】ヴァンパイアとチョコレート

そこは広い部屋で、周りには見たこともない高そうな家具やソファが置いてある。

床はつるつるの大理石でその上には上品な絨毯が敷かれている。

ミーナが寝かせられていたのもふかふかの大きなベットで、上にはレースでできた天蓋までついていて、まるで映画の中のお姫様の部屋のようだ。

「き、如月君、ここは……!?」

「俺の家だけど?」

事も無げにライルは言う。

「お、俺の家って……だって私さっきまで寝てたんだよ?それにどうやって家に入ったの?ちゃんと戸締りしてたのに!そもそも、どうして私の家知ってるの?」

パニックになって頭を抱える。

「私、家リビングにいたんだよ!それがこんな場所にいるなんて変だよ!おかしいよ!!」

「少し落ち着け」

「落ち着いていられないよっ!」