ミーナがそう思っていると

「俺……夜行性だから」

ライルは少しだけ顔を上げてそう言った。

「や、夜行性……?」

「だから昼間は眠くて……」

「そ、そうなんだ……」

(如月君ってやっぱり変わってる……
というより変な人だな……)

ライルはとろりとまぶたを閉じようとしたが、ふと思い出したように顔を上げる。

「そういえば木々野は足が速いんだな」

「え……?そうかな」

いきなり言われてミーナはあいまいに笑う。