【完】ヴァンパイアとチョコレート

ライルの瞳は閉じられてままで体もピクリとも動かない。

「うそ……!こんな……!」

目からはみるみる涙があふれ頬を伝って落ちていく。

シンとした廃屋からは月の光だけが降り注いでいた。

(私……結局ライル君を守れなかった……)

悔しさとやるせなさ、そして深い悲しみがミーナの体中からあふれ出す。

「うっ……うっ……!!」

涙が次から次に流れていく。