【完】ヴァンパイアとチョコレート

ライルが剣を引き抜くと、大蛇はだらりとした体を床に横たえた。

(死んではいないが……もう、襲っては来ないだろう)

ライルは床に膝をついているミーナの髪をそっと撫でた。

「ミーナ……
よく……やったな……」

ライルがミーナの腕に手をかざした。

ひんやりとした感覚がして痛みが引いていく。

「これで……大丈夫だ……」

最後の力を振り絞りミーナの傷を癒すと、ライルは満足そうに微笑んだ。

「ライル君!?」

ライルはゆっくりと瞳を閉じ、床に倒れた。

ミーナはライルと軽くゆすった。

「ライルくん!!!」