【完】ヴァンパイアとチョコレート

次の瞬間、ミーナは剣で自身の左腕を切りつけた。

「っつ……!!」

鋭い痛みが熱を伴って襲ってくる。

腕からはどくどくと真っ赤な血が流れ落ち、床に血だまりを作った。

「ミーナ!?」

ライルが目を見開く。

「あれ~?どうしちゃったの?」

アンバードも足を止めてその光景を見ている。

(痛い……でも、これしか考えられない!!)

ミーナは顔をゆがめながら、剣を下ろすと、右の手のひらに自分の血をなすりつける。