【完】ヴァンパイアとチョコレート

指先が信じられないくらいに冷たい。

「…………!!」

アンバードが月明かりを避ける為にフードを被り、こちらにやってくる。

「さて、とどめを刺そうかな」

その体には傷一つなく彼は美しいほほえみをたたえている。

「…………」

ミーナはライルの手から彼の剣を抜き取り、近くに散らばっていたガラスの破片を隠し持った。

「おやぁ?ミーナちゃん?剣なんか持ってどうしたのかな?」