【完】ヴァンパイアとチョコレート

「う~ん。ライ君の血はあまり美味しくないなぁ」

剣についた血を舐めながらアンバーは言う。

「やっぱり人間の女の子の血がいいね~」

アンバードがミーナの方を見てにやりと笑う。

「!!」

ライルが駆け出しアンバードに突っ込んでいく。

しかし、アンバードはそれをひらりと避けると、ライルの脇腹に剣を突き刺した。

脇腹からみるみる血があふれ、アンバードが剣を引き抜くと、ライルはその場に倒れ込んだ。

アンバードは月明かりを避けるように影に向かってジャンプした。

体勢を立て直してとどめを刺すつもりだろう。

「ライル君!!」

ミーナがそばに駆け寄る。

「ミー……な……逃げろ…早く……」

ライルはミーナの頬にそっと触れる。