【完】ヴァンパイアとチョコレート

「ミーナちゃんの血はオレが飲んであげるから……」

「くっ……」

ライルは剣を持つ手に力を込める。

「大丈夫、キミの母親の様に殺しはしないよ……。ミーナちゃんはオレのおもちゃとして城に置いておくからさ……。そうだ、たまにはライ君にも血を飲ませてあげようか?」

アンバードはふふっと楽しげに笑い、舌なめずりをする。

ヘビの様に長い舌がぬめぬめと光る。

ミーナは恐怖で動けない。

しゃがみ込んだまま全身が震える。

「さ、ミーナちゃん。こっちにおいで?一緒に魔界に行こうか」