【完】ヴァンパイアとチョコレート

「一緒に運べば大丈夫だよ」

ミーナは笑顔でプロジェクターを軽く叩く。

すると

「わかった」

と言って、ライルはすたすたとミーナの隣に行く。

こうして並んで立つとライルは結構背が高い。

(180㎝はありそうだなぁ……)

ミーナがそんなことを思っていると、彼はひょいとプロジェクターを持ち上げた。

「え……重くないの?」

ミーナは驚いて声をかける。

「……大丈夫だ」

軽々とプロジェクターを抱えライルはふら付くこともなく教室を出て行った。