「卵くらいしかないな……あと、米か」

ライルは食事に頓着しないので普段はラーメンやお菓子などで済ませている。

ルネのリクエストで目玉焼きを作ったりもするが、料理と言えるものはほとんどした事が無い。

「買いに行くにしても危ないし……」

「じゃあ何か作ろうか?」

ミーナはそう言って台所に入る。

手の傷はもうふさがっていて、ミーナが近づいてもライルは何も言わなかった。

「お前、飯作れるのか?」

ライルは意外そうに隣にいるミーナを見る。

「卵とケチャップがあるから、オムライスくらいなら」

明るくそう言って、あまり使っていないだろうフライパンを軽く洗った。