「ご主人は魔界の暮らしに馴染めずに人間界にやってきたんだ。こっちならうまくやれると思ってね。だけど昼間の日差しは思ったよりも強くて学校に行ってもほとんど眠ってしまう」

ルネは丸い瞳を細めて言う。

「そんな時、毎日おはようと声をかけて、授業中さり気なく助けてくれる君の存在がご主人にとってはとても嬉しかったんだ」

「そうだったの……」

初めて聞いた。

いつもライルは寝てばかりで何を考えてるのか分からないーー。

そう思っていたのに。