「じゃあ、十字架を身に着けていれば大丈夫?」

「いや……それだけじゃ心配だな。……もっといい策を考えないと」

ライルは天井を見つめながら思案した。

ヴァンパイアは日の光に弱い。

混血のライルでも日中は動きが鈍くなるから、アンバードは日のあるうちは出て来れないだろう。

(昼間はいいとして、問題は夜だな……)

「ミーナ、アイツの傷は深いがヴァンパイアは回復が早い。恐らく二、三日以内にもう一度やってくる。その間は決して俺から離れるな」

「うん……でも、血の匂いは大丈夫なの?」

ミーナはルネが持ってきてくれた絆創膏を貼った手のひらを見て言った。