【完】ヴァンパイアとチョコレート

「……!俺は……何を…!?」

ライルは飛び退く様にミーナから離れるとソファに座りこんだ。

「大丈夫……?」

ミーナは心配そうにライルに近づく。

「俺のそばに来るな!!」

ぎらつく瞳を向けてライルは大声を出した。

「ど、どうしたの?急に……」

ミーナは戸惑いの表情を浮かべる。

「血が……お前の血の匂いが……」

ライルは苦しそうに息を吐き、震える手でテーブルの上にあるチョコレートを数個口に放り込む。

ガリッと荒く噛み砕きそれを飲み込む。

「はぁはぁ……」

ソファに横になったライルは荒い呼吸をしている。

「お前の血の匂いが……俺の理性を奪うんだ」