【完】ヴァンパイアとチョコレート

「アンバードさんがこの子の羽根をむしった時すごく怖かった」

「……アイツは笑いながら残酷な事をする。昔からそうだった」

ライルは吐き捨てる様に言った。

その表情は髪に隠れてよく見えない。

ライルは聖水のふたを閉じて薬をピクシーの背中に塗っていく。

ピクシーの表情が少しずつ和らいでいく。

「傷は酷いが命には別状なさそうだし、大丈夫だろう」

その言葉にミーナとルネは息をついた。