【完】ヴァンパイアとチョコレート

「ご主人!?ミーナ!?」

青い光が治まり、目を開けるとそこには心配そうなルネの姿があった。

(戻ってきたんだ……)

ミーナはルネに

「ライル君が怪我を……」

と言った。

「ミーナ、俺は大丈夫だ」

ライルはそっと肩に手を当てた。

すると、徐々に傷口がふさがっていく。

「……血が止まった……」

ミーナは驚いてライルを見た。

「俺も半分はヴァンパイアだから回復が早いんだ」

ライルはふっと笑っう。

「痛くないの?」

「ああ。思ったより傷は深くない。一日寝てれば大丈夫だ」

ミーナはその言葉を聞いてほっとした。

「ライル君、この子……」

手のひらをそっと開いてピクシーを見せる。

「これは……!」

途端にライルの顔がゆがむ。

ピクシーはガタガタと震えていて、浅い呼吸を繰り返していた。

「ルネ!聖水を持ってこい!」

ライルはすぐに柔らかなタオルでピクシーを包んだ。