【完】ヴァンパイアとチョコレート

(どうしよう……早く手当しないとこの子が……!)

すると目の前が急に陰りミーナは息をのんだ。

「ミーナちゃんどうしたの~?急に走り出して」

「!?」

アンバードがミーナの目の前に立ち、長い三つ編みを弄びながらニコニコと笑っている。

「急に走り出すからビックリしちゃったよ?」

ミーナは髪に触れようとしたアンバードから後ずさる。

「こ、来ないでください……」

ミーナの声は震えていた。