【完】ヴァンパイアとチョコレート

「……キューイ……」

羽をむしられたピクシーは、弱々しい声を上げてアンバードの手のひらの上で震えている。

その瞳からは珠の様な涙が零れ落ちている。

「ふふっ!ホントにピクシーの涙はキレイだなぁ……」

ゾッとするよう美しいほほえみ。

「もう一枚千切っちゃおう!」

アンバードはアハハと笑いながら、がたがたと震えるピクシーの羽根に手をかけた。

その表情はまるで子供の様な無邪気な物だった。