【完】ヴァンパイアとチョコレート

こうして見るとアンバードが恐ろしいものだとはとても思えない。

ピクシーの髪を軽く撫で、優しく微笑んでいる彼は天使の様だ。

「ピクシーの羽根ってこんなにキレイなんですね……」

ミーナは宙を舞うピクシーたちの羽根を見ながら言った。

「……ミーナちゃん、もっとキレイなものがあるよ」

アンバードは唇を上げて笑うと、肩に止まっていたピクシーを手のひらに乗せた。

「ほら、見てて……」

アンバードはピクシーの羽根を軽く撫でると

ブチッ!!!

妖精の羽根を一枚むしり取った。